Diary
2004.8.2608/26 こぐれ2
8月某日
クーラーつけました。温度ではなく、湿度に負けたといっていいでしょう。
夜中にスペーシーなブレイクビーツを聴きつつ、板橋区をゆるゆると自転車で走っているわけです。環七、川越通りなどの多車線道路以外は、たまにタクシーが通るくらい、いつもなら人一人いない街灯と俺だけの世界ですが・・・学生は夏休みなのでありました。
深夜2時にも関わらず、駅近くの通りは、飲み会が終わった後と思われる20人くらいの学生の、惰性的で散漫な集会場になっていました。呑んで気が大きくなっている者が通り過ぎるタクシーに罵声を浴びせたり、集団とは少し隔たったところで、ぺちぺちと女の二の腕を叩く男と、潤んだ目で男を見つめる女・・・。別の場所では嘔吐する女と、それを介抱する男2人の姿も見えます。
「楽しそうじゃないか・・・」俺はそこから少し離れたコンビニの前に自転車を停めて、煙草を吸いつつ見物。
例えば、そのうちの一人の男を見ると、メッシュキャップを斜めにかぶり、オーバーサイズのタンクトップには「SUPREME」の文字。彼はよほど気が大きくなっていたのか、タクシーが通り過ぎる度に、徐行する車に近づき、「!!!」意味不明の雄叫びをあげ、走り去ってしまったタクシーの幻に向かって上段蹴りらしきものを空振り、ぺたりと路上に座り込んでしまいました。ありがちな光景であります。そんな彼の青い春さに、煙草も美味いです。ドーピングパンダのプレツアーのとき、大阪でスタッフのシゲが同じ事をしていたな。
若槻千夏が骨格整形したような顔をした女が、男に囲まれています。談笑、と言うよりは男達のアピール合戦のように見えます。夏、アルコール、ヤロウメロウ・・・。少し自省の気持ちが兆します。
さっきまで二の腕をソフトスパンキングしていた男は、いつの間にか、シャッターの降りた店舗の前で女の肩を抱き、耳元で何かささやく段階にまで入っていました。きっと、「西武新宿線の野方駅に導師(グル)が経営してる駆け込み寺があってさ・・・」なんてことをささやいているんでしょう。
無常を観じてしまった俺は、そそくさとその場を立ち去りました。
次の日の早朝、10メートル歩いただけで汗がにじむ猛暑の中、缶コーヒーを飲みながら駅までの道のりを急いでいると・・・昨晩、集会場化していた辺りには、煙草の吸殻、空き缶などと共に、泥酔した女が嘔吐したと思われる干からびた吐瀉物が酸味を効かせていました。麺類を食べたらしい・・・。俺の頭の中で、サザンの「祭りのあと」が流れ始めたのは、言うまでもありません。草々