Diary

2016.7.31日記

5月某日
時差ぼけのアメリカ人4名がスタジオに入って来て、なんだよこのクールな場所は、新築? Yeah!!…と普通に会話を始めたけど、よく考えたら6年ぶりのことだ。しかし、この感覚は滅多に会わない親戚と法事で再会した時に似ている。スタジオ見学もそこそこに上の居酒屋へ。皆でビールを注文、ライアンだけは昔と変わらず「ウォーター、クダサイ」。天ぷらを食う。

5月某日
リハーサルからかっこいいモック・オレンジ。彼らに会いに、懐かしい面々がバックヤードに次々と顔を出す。元K−PLANの社員や元オーリーの編集が缶ビール片手にフラフラしているのを懐かしく思いつつ電子タバコを吸っていると、時折すごい歓声が聞こえてくる。上階では複数のアイドル・グループが出演するイベントをやっていたようで、衣装を着た女の子たちがo-nestのステージ入口のドアを開けて入場するたびに、その声が裏に漏れてくるのだった(nestとwestのバックヤードは繋がっているのです)。ライブを終えたザックが、階段の踊り場で振付の最終確認をしているグループを見て「あの子たちは中学生?これから踊るの?ワオ、歓声が俺たちよりもすごい!」と、興味深そうにその様子を眺めていたので、BABY METALを知ってるか、と聞いてみたが、答えは「I Don’t know」だった。

5月某日
6年前のツアーの時はそれこそ毎晩ハードなパーティーを繰り広げていたように思うが、今回の深酒は鹿児島の夜だけだったし、サミットで警戒の厳重な空港で彼らと軽口を交わしつつ別れる時も至極あっさりとしたものだった。再会の予定は未確定でも、またいつか会うだろうという妙な安心感があるからだ。人種や音楽のあれこれも関係なしに、モック・オレンジとは良い友人になれたのだと思う。

7月某日
DJで頻繁に誘われるようになってから、必然的にクラブで他のDJが掛ける色々な音楽を耳にすることが多くなった。当たり前のことだが、世の中には僕が知らない名曲がまだたくさんある。20代の頃に比べれば先入観や偏見というものがほとんどなくなって、TMネットワークやTraxman、Lil Yachtyから千石撫子まで、ジャンルや新旧問わずにグッドミュージックとしてすべてを並列化して聴ける今だからこそ、なるべく世間の消費スピードに飲まれないよう自分のペースで音楽を味わいたい…と思いながらオルガンバーでゆらゆらと踊る午前3時。

7月某日
downyのドラマー、秋山さん主催の会にて数十人のドラマーの演奏を観る。ステージのドラムセットは固定だから基本的には同じ音色の筈でも、叩く人が替わると驚くほど音が違って楽しい。
Lil Yachtyの新しいアルバムで、808ではなくSP1200っぽいドラム音が使われていて、トラップでは珍しいその音色が妙に新鮮だった。そういえば SwindleのLondon to L.Aでも同じような感覚になった。トラップの奇数と偶数を行ったり来たりするハイハットとラップ、ジュークの独創的なリズムパターン、叩き手によって変わる生ドラムの響き。面白がることを忘れずにいたいものだ。