Diary

2016.3.11日記

いつの間にか3月。しかも2016年。震災から5年。時間はあっという間に過ぎていく。

モック・オレンジがまた日本に来る。調べてみたら9年ぶりのことだった。時々メールで近況を報告したり、ドラマーのヒースが頻繁に日本へ来たりしていたので、そんなに時が経っているとは…と遠い目になりながら一服。ザックの家のソファーでライアンがろうそくを削って時間を潰していた姿や、シカゴのコカイン・マンション、カレッジ・タウンのきたねーシェア・ハウスで一緒に酒を飲んだ奴の名前は、忘れてしまった。

彼らが久々にアルバムをリリースするのと、鹿児島WALK INN STUDIOのタイチが地元のフェスにモック・オレンジを呼びたい!と思いついたタイミングが重なり、それならツアーしよう、ついでに音源も出そう、と決まっていく腰の軽さはインディーズならではである。宣伝用に送られてきた写真を見たら、ボーカルのライアンに貫禄がつき過ぎていて笑った。

モック・オレンジはフルタイムで活動しているバンドではないが、それでもマイペースにリリースを重ねてきている。普段の彼らは、ドラムのヒースは道路舗装会社の取締役、ベースのザックはサウンド・エンジニア、ギターのジョーは、彼曰く「馬鹿な白人が狂ったみたいにパーティーしにくるクソみたいなクラブ」のバーテンダー。ライアンの私生活は謎に包まれている…。そしてフライングで聴いた新作は、米中西部の土臭さとカラフルなサイケデリアがミックスされた私的名盤。さっきちょうどジョーから「スプリットに収録予定の曲が、速めのカントリー(fast country)なんだけど、いいかな」とメールが来ていたので「FUCK YEAH」と返した。

僕たちも現在、引っ越して大幅に負のオーラが減ったスタジオにて、「世の中に色んなことが起きすぎて、価値観も多元的じゃないですか、だから皆わかりやすい尺度に拠って思考停止して、排他的になっちゃって、いわゆる正論?とか、過激だけど一見痛快な発言に飛びつくんですよ、UKIPとかトランプとかさ、違います?いっかいてめーで噛み砕けっつーの!…だいたい…あ、電話だ、ワイフィーから電話…もしもし?もしもーし、何だよう、ラヴゥー」と、忙しさでいかれてしまったマネージャーの脳内思考垂れ流し実況を、全員で無視しながら録音中。Kawasakiが新しいアンプを鳴らしている。

いつもより長く感じた冬がようやく終わる兆しを見せたかと思えば、今日は冷たい雨。「メシ何食ったの?」「蕎麦」。今年は月1で更新して…したい。