Diary

2007.9.12007/09

木暮です。
家の近くにとんかつ屋がある。趣のある皿や花瓶が飾り付けてある落ち着いた雰囲気
の中、おかみさんの履物がカラカラと鳴る音や、奥で主人がトンカツを揚げる音に混
ざってうっすらとAMラジオが聞こえてくる、「毎日が師走」のような店。ビールと佃
煮で一服していると、そんなに厚くなく、衣の具合も適量、カラッと揚がったとんか
つが運ばれてくる。「さっくり」と小粋な歯ざわり。老人とおっさんの二人が調理を
担当しているのだが、なぜか老主人が揚げたカツのほうが旨い。清潔な白木のテーブ
ルに愛想の良いおかみさんが、赤だしの味噌汁、トンカツ、漬物、飯と手際よく並べ
てくれる。食後に「アイスでもいかがですか?」とピノを一つサービスしてくれる。
これで八百円は安いな・・・食べ終わってほうじ茶を啜りつつ、カレンダーに目をや
ると9月5日であった。fadeouts (for JUSTICE) を手にとってくれた皆さん、あり
がとう。moonlight stepperのPVで、ガラス越しに妙な動きを見せている男は宮下
です。

先日、ジョージ・ボッドマンという男と昼の2時から吉祥寺でビールを飲んだ。彼は
外人バンドの電話インタビューなどをこなすほどのバイリンガルなので、作詞時の微
妙なニュアンスの質問にも余裕で答えてくれる。この言い回しの時は「which」より
「that」の方が口語的だねー、とか。moonlight stepperの、「I gotta rock to the
beats in my mind」という、ある種世代感丸出しの一行は、夜中に突然彼がつぶやい
たラインをそのまま使っている。年も同じだし、お互い10代後半にHIP HOP
の洗礼を受けているので、その頃の話で盛り上がったりするのがまた楽しい。結局そ
の日は、居酒屋→串焼き屋→ジョージ宅→居酒屋という、イギリスの失業者のような
ルートで飲みまくり、toeがデモを録ってる横のブースで、荒井とユウタの歌声を子
守唄に就寝したのであった。どう帰ったのかよく覚えていない。

話は前後するが、今夏も色々なフェスに出演させて頂いた。モンスターバッシュでは
川崎・原・加藤ヒロシ・たけしの4人が、子供のように水の掛け合いをしてじゃれて
おり、最初は夏らしく水だったのが、徐々に飲みかけの酒やコーヒーなどをぶっ掛け
あう戦争へとシフトしていき、帰りのバスで僕の隣に座っていた加藤は悲惨な異臭を
放っていた。ラッシュボールでは、ライブの前夜に本屋付きのコンビニでたまたま原
と会い、小一時間マンガや小説などを物色した後、部屋で雑談。将太の寿司に出てく
る、美味い物を食べるとつい「パァン!」と柏手を打ってしまうという「柏手の安」か
ら、原君16歳の独自の空間認識の思い出、相対性理論、エコなどを楽しく語らうう
ちに、午前5時になっていた。そのせいか、僕の中で酔っ払う率が一番高いラッシュ
ボールであったが、自分達のライブが終わってビールを一杯飲んだだけで楽屋で寝て
しまった。しかし、野外でのライブはやっぱり気持ちが良い。

現在午前3時・・・真夜中のテレビからはBEN HARPERがゆったりと流れており、窓か
らうっすらと聞こえる虫の声と心地よく混ざっている。2007年の夏も終わってい
くようですな。再拝。