Diary
2008.6.12008/6
北海道や東北、北陸などを旅して来ましたが、旅に出てその地の有名な旨いものを食う、という行為が今回は少ないようですな。
私のような妄想癖を持つ輩は、相変わらず深夜の街を音楽とともに散策したりしておりますが、岡山のとある地下のつるつるしたタイル張りのフロアの上では、スケートやBMX、そしてダンスに興じる人たちがおりました。beautiful youth。そんな光景を反芻しつつ現在深夜3時、宿は静まり返っており、換気扇の回る音をバックミュージックに駄文をしたためております。
ここまでのツアー会場に足を運んでくれている人、そして相変わらずな態度で音楽に接している愚物四名の手斧ペンギンを手に取ってくれた人、本当にありがとう。
アベンジャーズ・韻・サイファイというバンドと盛岡の居酒屋で酒を飲んだ際に、私とタロウで酔いに任せた音楽談に興じている間、イナミという男はスタッフの宮下のパンツを破いて死んだ魚のような目をしておりましたし、ハセガワというドラマーは、「関東人が関西弁をさりげなく使うのってサムいな、と思いつつも使っちゃう的な」とつぶやいて、何度か焼酎をあおった後、泥酔した宮下と二人で寝てしまったのでした。会計を済ませた我々は、ハセガワと宮下を店の奥座敷に置き去りにしたまま、何もなかったかの如くそそくさと帰宿。二人は、明け方迷惑顔の店員数名に囲まれて目を覚ましたらしいですな。
トイ・トラップというバンドをやっている最高の阿呆が参名おりまして、北海道では私たちがライブを行う前に彼らが演奏してくれたのですが、彼らにはライブが終わった瞬間に楽屋に滑り込んできて、「スミマセンデシタ」とスライディング土下座をしてくるという奇矯な癖があり、今回の北海道ツアーでは自分たちのライブ前に常に和やかな気持ちでいることができました。
函館の有名なハンバーガーチェーンの名物メニュー「ふとっちょバーガー」をオーダーすると、店員が片手で鈴を鳴らしながら、高さ20センチくらいのバーガーを運んできます。トイトラップのベースのやっちゃんはそれを二皿食べておりました。キムラとイトウと原がそれを見て盛り上がっておりました。やっちゃんは別に過食癖があるわけでもなく、おそらく異常に腹が減っていたというわけでもなく、みんなが笑ってくれるから食べるという行動論理を持つ男なのです。やさしさが過ぎる。川崎はシェイクを二杯飲んでおりました。
フェリーに乗って本州へ帰って来た翌日、54-71が弘前まで来てくれまして、ライブ後にラーメンなどを食いました。
来月にはフェスでまた来ることになる大船渡にて、恒例となった旅館に宿泊。54はスーパータイトな演奏。打ち上げではリーダーの頭の切れを垣間見たり。ボボ君の新曲のパターンをコピーしたり。
岡山にはラッコ氏が経営するラコスバーガーという旨いハンバーガー屋さんがあって、旨すぎて一日で二回バーガーを食いましたな。toeのグッドバイという曲が好きで、
生で聴くとやっぱりいい曲でありました。柏倉氏はサンダルでドラムを演奏しており、「ペダル踏みづらくないすか?」と聞くと、「案外いけるよ、フフフ・・・」と不敵にニヤリとしておりました。楽屋にて美濃氏は麦酒を、山嵜氏はウィスキーを嗜んでおりました。
十年位前、私が初めてライブハウスにハイ・スタンダードのコピー・バンドで出た際、ワンカップを飲みながら演奏し、リアルな酔いどれビートを叩き出し、メンバー全員の顰蹙を買ったことがあります。
滋賀のBフラットというライブハウスでブッキングマネージャーをやっている井上君という男が、何を思ったのか古き良き時代を感じさせる食堂へ私どもをエスコートしてくれ、色々な芸能人の色紙が飾られた店内で、普通の3倍は盛ってあるであろうカツ丼などを食いました。といっても食ったのはほとんど原で、私などは山盛りの笊蕎麦をなぜか箸を使わずに食う原に畏敬の眼差しを送るのみでありました。サスカッチも連れて行けばよかったな。
しかしサスカッチはその次の夜に旨いイカ刺しを食うことになるのです。その席でモミヤマという男がサスカッチのドラムのマキという女に、セクハラ的な言葉を何度も浴びせていたので、マキに「訴えたら勝てるよ」とアドバイスしたところ、「あ、おいしーこのイカ刺し、イカだけに」と答えるのみで、私の助言など無用、と言った体でありました。
ドラマーは変わった奴が多いのだろうか。
去年のライジングサンで思わずモッシュしてしまってから、タートル・アイランドの一ファンなのです。あれだけ太鼓をガンガン鳴らされると、やはり体は動いてしまう。
名古屋のライブでも、フロアで暴れたいなーと思いつつステージ袖にてフラフラと踊っていると、多分タートルのメンバーの誰かの奥さんらしき人がいきなり缶ビールをくれまして、そいつを舐めながら、ギターを歯で弾いたり歌ったりするジョージを間近で見ておりました。ジョージ以外のメンバーと話をしたことがなかったのですが、打ち上げではボーカルのよっちゃんと人間と情報の話、ジョージがタートルに入ったころの話などしながら酒を飲み良い心持になり、一軒目を出た後、荒井とジョージと3人で沖縄料理屋へ。しかし私は久しぶりに飲み屋のテーブルで寝てしまうという酔態を晒したのでした。
名古屋から九州へ10時間の距離を私と宮下、川崎の三人で適当に交代しつつ運転。眠眠打破という眠気覚ましドリンクを2本連続で飲んだ後、缶コーヒーのブラックを一気飲みしたにもかかわらず、「すいません、ちょっと眠りの世界へ旅立って参ります」とつぶやいた数分後、失神したように眠るという特性を持つ宮下という不思議な生き物。
しかし今回はきっちり運転手として活躍しております。
そして、宮崎にてフロンティア・バックヤードと合流。昨晩は黒豚を食いました。まずモツ鍋と野菜・豚肉の鍋が出て、そこでもう十分腹は満ち足りているのですが、ちゃんぽん麺、うどん麺、雑炊とどんどんコースは進み、少食の私は既にこの時点で限界を超えており、一刻も早く宿に帰ってベッドの上でパトレイバーをまとめ読みしながらヘラヘラしたいなどと思っていたところ、ようやく打ち上げが終了。しかし同じだけの量の食べ物を摂取しているはずのTDC氏が「ラーメン食いますか」という理外な発言。なし崩し的にラーメン屋に入ると、TDC氏が「ラーメンの大盛りください、3つ」と、親切に私の分まで大盛りで注文をしてくれました。一口食って宮下にあげると、「これは、うん、うん、あっさりとしたスープに絡む麺が、うん」と、うれしそうに麺をすすっておりました。TDC氏とシゲさんはしっかり完食。まさか薩摩の地でフードバトルに似た状況に陥るとは・・・。
その店は普通のカウンターしかないラーメン屋さんなのですが、ビール片手に話し込む荒井とTGMX氏。私も酔いに任せて一生懸命に「島耕作」シリーズの話をいたしました。チャーベさんもTDC氏も耕作に詳しく、居酒屋状態のラーメン屋にて漫画談義は盛り上がったのでした。そして店主はさぞ迷惑だっただろう。
この文を書き始めたころは岡山におりましたが、現在午前5時の熊本、天気は雨です。ツアーは続きます。重複しますが、ツアーの各会場に足を運んでくれている皆さん、本当にありがとう。