Diary
2011.5.12011/05
木暮です
5月某日
明け方に切ない話を聞く。話してる本人にその自覚がないところがまた一層切ない。何かしてやりたいところだけど、それで自然な成り行きが変わってしまうのは色々な意味で本意ではないし、できるのは結局話を聞くことくらいである。
5月某日
自分の嗜好性・好みというものに或る程度の予想がつくようになってきて、それはそれでつまらないので、今まで能動的に触れてこなかったジャンルの作品を色々と掘ってみることにする。アニメ及びアニソンに関しては原君や竜巻太郎のレコメンド・リストを参考に、色々観たり聴いたりしている。今のところハズレなし。
本で言えば、大型書店の平台に「売れてます!」というポップと共に積まれているハード・カバーや映画化され話題になっている文庫など。無作為に選んだのが災いして、こちらはハズレばかり。レコードをジャケ買いして外してもそんなに腹は立たないが、読むのに多少時間のいる小説の場合、読後の徒労感は「ふざけるなこのやろう」と文庫を壁に投げつける気力さえ失わせる。窓から外を眺めて、台北のことを考えながら煙草を吸う。今はメイン・ストリームを追うのはいったん中断し、ライト・ノベルをDIGしています。
知名度のない(少なくとも僕は知らない)アイドルを狂ったように追っかけている友達に、「オススメのアイドルの歌ないの?」と電話すると、「お前がいいと思うかどうかは保証できない」と言いながらも何曲か教えてくれた。曰く、「音楽が入り口でもいいが、とにかく恋に落ちることが先決」。そうなってくると歌の聞こえ方、というより音楽の聴き方が変わるらしい。もともとHIPHOPのDJだった男の言である。そういえば未だに白いスニーカーばかり集めているのか聞くの忘れたな・・・と人が減ったアメ村を歩きながら考える。BGMは DJ KZA ft D.O 「SCRAMBLE CROSSING」。古着屋から爆音で聞こえてきた音楽に既聴感を覚えたのでイヤフォンを外すと、Lagwagon の May 16 だった。
5月某日
昼間は半袖で過ごせるくらい暖かい。散歩が日課でもない限り、季節の移ろいをはっきりと意識するのは難しい。小粋なDJのクロスフェードのようにいつの間にか気温や風景が変わっている。ただ、一年前の今日と現在では、状況は著しく違う。一年前の地点から観測すれば、明らかな非日常が日常化していく様子に目を見張るだろう。きりたんぽ屋で食事中の島耕作でさえ、グローバル企業の取締役目線の原発・電力問題を語っている。PCを開くと MOCK ORANGE のヒースからメールが来ていた。
5月某日
ZEPP東京。これでいったんツアーは中断。延期になってしまった都市には秋に行きます。僕たちは相変わらず音楽を演奏する以外に能のないボウフラですが、アナログからデジタルへの過渡期にわざわざ僕たちのCDを買ってくれた皆さん、粛々と非日常が溶けていく日々の中、各会場に足を運んでくれた全ての皆さん、本当にありがとう。僕たちは僕たちに出来ることをやっていこうと思っています。それでは、また。